「英雄的」映画を探して 2023年映画短評
2023年映画感想
ありがとう2023、ありがとう令和5年(知らなくて今調べた)
みなさん、映画、観てますか?
僕は今年はもうここ2、3年の見れなかった期間を取り戻すかのように色々と観に行きました。
思い立ったので自分が普段映画を見る時の基準みたいなものを文にしてみようと思いました。
映画の評価基準
普段自分が映画を見て評価をつけるときに、下図のようなバロメーターに当てはめて考えていたりする。
まず左のレーダーグラフから見ていくと、それぞれ「面白い」「好き」「許せる」「つまらない」「嫌い」「許せない」の6つの項目がある。
それぞれは映画を評価する上で思考であれ感情であれ出てくるものなんだけど
「好き」「嫌い」はそれぞれ作品への感情の強弱、「面白い」「つまらない」は作品の好む好まざるの部分除いた単純な作品のクオリティの良し悪しを表してる。
ここで「許せる」「許せない」って項目なんだけど、これがかなり曖昧で、まず「許せない」ありきの考え方になる。
じゃあ何が「許せない」のかというと、大抵作中で起こる悪いイベント(誰かが足を引っ張る、悪者が誰かを傷つける、そもそも製作者が嫌い)に対しての自分に対してのダメージや共感性羞恥の度合いやもう思想や信念その他諸々の“合わなさ”を「許せない」ってバロメーターに詰め込んでる。
たとえば"トイ・ストーリー"って映画がある。
この映画を見たことがある人ならわかると思うんだけど、バズ・ライトイヤーの序盤のキャラがなんか無茶苦茶してるのになんか上手く行っちゃって、終始正しいこと言ってる(と思ってた)ウッディが被害を被るってパートがあるんだけど、自分は昔からそのシーンが嫌いで……。
話は好きなはずなのに見れないのがほんとに疑問だったんだけど、この「許せない」ってバロメーターを置いて物差しを持つことでああ、トイストーリーは「許せる」と「許せない」のバロメーターのバランスが歪だから苦手だったのか!と今になって理解してる。(自分がおもちゃって気がつくシーンの尊厳破壊が強すぎて今はまあ思い出補正もあって許せる寄りだけど。)
本題に戻るとそこで「許せる」ってバロメーターはとにかく「許せない」に勝るお仕置きパートであったり作劇上のスッキリするパートがあるかどうかっていう最後の最後まで見てつける成績表みたいな評価点になってる。
「許せる」のバロメーターがめちゃくちゃ高くて面白い映画の例としては、レゴムービーがあげられる。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00M2QEB32/ref=atv_dp_share_cu_r
とにかく普通の奴!っていうエメットが周りのめちゃくちゃ上手くレゴを組み上げられる奴ら(マスタービルダー)たちから普通すぎてダメ出しされたりしょうもない奴!って言われるパートがあってうおおお「許せない」ゲージが溜まってくるぜ!!!!となるんだけど、この作品は最後、この作品でしかできない超盛り上がりシーンで「許せる」ゲージが爆発してそれまでの「許せない」ゲージをぶっ壊すのがいいんだよね。だからこの2つはバランスよくあって欲しいと思う。
(余談だけど荒木飛呂彦先生の漫画術でどんなジャンルにもサスペンスのドキドキが必要っていうのはこういうことなんじゃないかと思ったりしてる)
「英雄的」映画の定義
じゃあ、表題にもある「英雄的」映画って何よってなるんだけど、うーんめちゃくちゃ長文で定義を書いたけどしっくりこなくて消した後なんだけど、ふわふわして書くと「ああ、きっとこの映画が世に出たことで世の中が変わるなぁ…(良い意味も悪い意味でも)」って感じなのかなぁ……。
前に見た「ジョーカー」とか。
この映画、自分はまあちょっとやばい映画やで!って情報が出てから見たんだけど、見てる最中から(あ、こいつ妙に俺も抑圧された民で暴動起こしたいって思われてるしそういうふうに寄り添ってきやがる……)と思って見てたんだけど、自分は根本的に人間を「バカで愚かで嫌いだけどまさか自分の想像を下回る愚劣はそうそういないだろ」って思ってるから、ジョーカー見て悪いふうに過度に影響を受けた人間からしたら「ジョーカー」はきっと「英雄的」(象徴的)映画だったんだろうなぁと思ったりする。
で、自分の中ではどうなのよ、そこまで影響を受けたり世の中変えたろ!的な映画ってどんなんあんねんってなるけど、まあこんな感じですかね……。
3つ2014年やんけ!!!!!!!!
はい。就職して丸2年経ってマジで毎週シアターに行ってた年が2014年だったのです。
自分の中で1年映画を見て豊作か否かの指標が2014年と比べて見に行けたか、面白い割合多かったかってなってます。
事実、上の作品たちは今年で10周年だけど、その後の映画業界で色々な影響を与えた立場的にもすごい作品だと思うんだよね。
それに上の作品に共通してるのが「人生悪い時も悪い奴もいるけど良くしていこうぜ!!!!!」って見た人間が“気がつく”って点でやっぱり一線を画してるんだよな。
自分は人生でマジで人間の悪い面は多分ほぼ全部見たぜって感じだから、だからこそ!人生の全部がそうじゃないって言ってくれる作品が好きだし、その中でも特に良くできた上の映画たちは、弱者を助け人生の支えになる「英雄性」を持ってると思うんだよね。人生にはそういう映画が必要だと思う。
2023年映画感想
ここまでなんか良くわかんないことを長々と話してきたけど、詰まるところ2023年はどうだったんよってなると、残念ながら今年は自分は「英雄的」映画には出会えなかったね……。
2023年の良かったののまとめは別で作ろうと思うからそっちに置くとして、ざっくり2023映画を表すなら
「期待はずれに期待通り、それに俺が悪かったからボコボコにしないで……」って感じ。
今年の期待はずれ映画はミッションインポッシブルとスパイダーバースとワイルドスピードの3本かな……。
いや、わかるよ?君たち全部前編なんだし次にデカいイベント置くのはわかる。でもさぁ、それはそれとしてもなんで今年手を抜いてんの?????????2本で一つなんです!ってのは1本目はおまけってことなん!?!?!?!?とドドドキレてた。
期待通りはイコライザーとジョンウィック。
ここはもううちはこれ1本で終わり!しかも、この2つのシリーズは同じ年に1本目を公開してて、割と見てる層が同じな役者さんを見るタイプのアクション映画だったのに、イコライザー3とジョンウィック4をどっちも見た人はわかると思うんだけど全く逆のラストシーンだったのがね、良いよね……。GOTG3もね、良かったよ…仲間ってのはいつも一緒にいることだけじゃないってメッセージもめちゃくちゃ沁みたよね…
逆にこの今のご時世に同じ一つのものを違う目線から描いた超名作が3つあって……。窓ぎわのトットちゃんとゴジラ-1.0と鬼太郎誕生ゲゲゲの謎っていうこれがさぁ…。
全く違う立場、全く違う状況から“戦争”っていう馬鹿でかい狂気に違う状況からアプローチしてて、もうね、昔から祖父母や親戚の戦争の話を聞くのが好きだった自分からすると、あくまで人越しに見ていたものがしっかりした監修や資料からこうもまざまざと見せつけられるとね、いやーきつい。マジで。1番きつかったのはダントツでトットちゃんでした。まだやってるから見れる人見て。
最後に、2023年1番の謎映画オブザイヤーだけ触れて終わりにする。それは…
グリッドマンユニバース!
いやもうね、評価不能ですよこんなの。マジで7回見たけどマジでなんでそんなに見に行ったのかわからなすぎてめちゃくちゃ困る。自分は特撮ヒーロー見てても怪獣に対してそんなに愛着湧くタイプじゃなくて、ストーリーを尊ぶタイプだからマジでグリユニはバトルパートより会話パート増やしてくれ!と思う。のに何回見てもラストシーンで許してしまって感動までしてしまう不思議すぎる。
二日間かけて書いたから多分序盤の自分と全く違う自分になってる(プリパラ)と思うけどまあそれでも。今年はこんな感じでちょっと長めの文書いていくぞー!えいえい!ぬぉーーー!!!!!!(西遊記外伝モンキーパーマの三蔵法師参照)